30歳過ぎたら妊娠は計画が大事
わたしは結婚したとき30歳をすぎていたため
妊娠は“流れに身を任せて”ではなく
きちんと自分の身体を知ることから始めようと思っていました
まわりの友達には
ママになって共働きor専業主婦の子もいたけれど
独身でバリバリ働く子もたくさん
現代の30代女性は
自分が選ぶ・選んだ道にいちばん揺らぐ時期なのかもしれません
夫とは、付き合っていたときから
お互い子どもは欲しいという意思確認はしていたのですが
夫はわたしより4歳年下
周りの友達も20代独身貴族がほとんどで
危機感も情報量もゼロ
わたしが推し進めるしかありませんでした(泣)
とはいえあまり
すぐにそういうモードになり
義務感になってしまうのは避けたかったので
結婚式とハネムーンまではなにも考えずにのんびり過ごし
入籍から7か月後くらいから「いざ」と切り替えました(笑)
まずは妊娠力のチェック
親しい友達(先輩ママ)に
「妊娠するのに何から始めたらいいかな?」と聞いてみました(笑)
もらったアドバイスをもとに、わたしはさっそく次のことを始めました
- 基礎体温をつける
- 友達に教えてもらった排卵検査薬を使ってタイミングをとる
- 不妊外来でひととおりの検査をする
恥ずかしながら、基礎体温は妊娠を意識するまで知らなかったのですが
本当に規則正しく1か月で波ができるので
「女性の身体ってほんとすごい!」と思いました(笑)
そしてタイミングをとりながらも不妊外来での検査を開始です
不妊治療を全く知らない人は(特に昭和以前のおじさんなど)
「不妊治療=妊娠しにくい・できない人の治療」とか
「治療は1回で終わるもの」と思っている方が多いと思います
でも実際は「妊娠力は十分だけど効率よく授かれるタイミングを教えてほしい」人や
「妊娠力があるかわからないから検査してほしい」人も
不妊外来に通っているのです
また、通院は1度に終わるものではなく、
女性の生理周期と関わってくるので
様々な種類の初期検査をひととおり終えるだけでも3か月ほどかかります
(その間タイミングをとれなかったりするので検査期間は機会をロスします・・)
それでももし重大なリスクが見つかって
タイミングをとり続けていても無意味だったとわかった場合
手遅れになってしまいかねないので
わたしたち夫婦はまずこの「妊娠力」の検査をぬかりなく終えました
結果は
わたし・・・目立ったものは見つからず1度内服したら回復する程度の症状が2つ
夫・・・問題が何もないどころか先生が笑うほどすべての数値が平均上の元気印
「旦那様のこの数値で授からなければ原因はあなた側です」とまで先生に言われるほどでした(+ +)
その言葉には少なからずプレッシャーを感じつつも
不妊外来に通うにしてはわたしの年齢もさほど高くはないということで
(あくまで不妊外来先生いわくです)
「あなたたちはおそらく自然にしていても子ども2人は授かれるでしょう」とのことでした
化学流産からの子宮外妊娠
この結果に少し安堵し
しばらく妊活を続けたのですが
3回ほど着床→化学流産を繰り返しました
着床はするのに育たない、
これがいわゆる原因不明の<不育症>というものだろうか
ととても不安になりました
不育症となると不妊外来でも調べられる限界があるのですが
わたしは次のステップの検査を検討していました
そんな中でまた発覚した着床が
今度は子宮外妊娠(医学用語では“異所性妊娠”)となってしまったのです
子宮外妊娠とは
子宮以外の部分に着床し、そのまま赤ちゃんが成長してしまう妊娠のことですが
赤ちゃんは子宮以外では大きくなれないため
この結末は<100%流産>となります
これにはかなりショックを受けました
1か月半ほど子宮外で妊娠が継続してしまい
出血が続き自宅で絶対安静の日々
それもしばらくは自然の流れに任せて
妊娠継続か自然流産の道をたどるか観察しなければいけないため
とにかく不安と恐怖でいっぱいの日々でした
せっかく授かった命が100%流産に向かうとわかっている苦しさだけでなく
流産後は2,3か月は子宮を休める必要があり次の妊娠ができないこと
さらに流産の方法によっては母体の命の危険や二度と妊娠できない体になるリスクもあり・・
落ち込みきっている中で
男性社会の職場に報告しなければならなかったり
夫が能天気に友達とタクシー帰りになるまで飲んできた日にはもう
爆発しました(笑)
夫は楽観主義で
コロナの緊急事態宣言下かつわたしの身体の危機中でも
自分には関係ないと思っているのか
飲みに行ったり遅くまでゲームをしたりで何度かイラっとさせられました
「誘うほうも非常識だし断らないほうも非常識だ!!」と数回爆発(笑)
なぜ2人の妊娠なのにわたしだけがわたしの身体を気遣い調べたりしなきゃなのかと
怒りを通り越して悲しくなったりしました
友達に相談すると、そのイラつき超わかるけどあるあるだよ、と言われ・・
なんとか心を鎮めました
(脱線失礼しました💦)
まさかの妊娠
そして子宮外妊娠発覚の2か月目の経過観察のために訪れた病院で
想定外にわかったのが今お腹にいる子の命です
hcg値が30,000も超えていて
(※hcg値・・・妊娠していないと出ない血中数値で初期は100くらい)
わたしも先生も冷や汗
子宮外妊娠がぐんぐん進んでしまっていると思ったのです
そうなれば大きな病院で緊急手術(胎児を掻き出す)なので
青ざめた先生が「至急エコー見ましょう!」と
私も生きた心地がせずエコー台に乗ると
先生「ん・・?どういうことだ?子宮内に赤ちゃんがいる・・」と
これには私も目がテンで2人して一呼吸置く
先生は少し考えてこう結論づけました
「あくまで推測ですが。
子宮外で着床したら動くことはありませんから子宮内にいる命は別物です
そして同時に2つの妊娠が進行することもないので子宮内にいる命が新しいものです
つまり、子宮外妊娠は未確認だけれどどこかのタイミングで自然流産していて
最近この新しい命が宿ったのでしょう」
わたしは悲しむ準備しかしていなかったので
先生の言葉の意味が理解できないまま放心していると
「ほんとは流産直後は夫婦生活NGなんですけど
最近タイミングとりましたよね?」と聞かれ
「はい・・出血が少しおさまってきたので」と言うと
「よかった。そうでないと辻褄が合わないから。
ではタイミングをとった日を覚えている範囲ですべて教えてください。
そこから妊娠週数を推測で割り出します」と。
そのままあれよあれよと
先生や看護師さんは
「おめでとうございます~」みたいな流れに変わり
わたしは放心状態のまま病院を出て夫に報告
夫もわたしと同じく
頭を整理するのに時間がかかったのか
またどこかで育たなくなる可能性を考えたのか
「とりあえずまだしばらくは様子見でいこう。あんまり喜びすぎずに」と冷静な反応でした
それが今、
もうすぐ臨月を迎えようとしている子の授かり記録です
夫婦で妊活を始めて8か月ほどたったときのことでした
ようこそ、レインボーベビー
流産のあとに授かる子を
「レインボーベビー」と呼ぶそうです
けれどその大半は流産から生理が復活し、
子宮が回復した後になるので半年以降くらいになるそうですが
この子は間をあけずに(なかば強引に!?)わたしたちのもとへやってきてくれた
わたしの母は
「きっと流れてしまった赤ちゃんが連れてきてくれたんだね」と
理系の合理主義派でスピリチュアルの類を一切信じない夫も
「こういうことってあるんだね・・きっとすごく生命力の強い子なんだろうな」と
それでも心配性のわたしは
妊娠しただけではちっとも安心できず
安定期に入ってからも無事育ってくれるか気がかりな日々でした
結局夫婦で「やったね!」と喜ぶ機会は逃したまま・・
妊娠も出産も奇跡の積み重ねの上にあると知ったからこそ
出産のその日までは100%の喜びはお預けです
無事元気なわが子に会えたとき
そのときには夫婦でいっぱい喜んで
すでにもう十分すぎる親孝行をしてくれた奇跡のこの子を
力いっぱい抱きしめたいと思っています
※トップの写真は無事生まれてから追加しました